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Mohikan meets girl 3話目 目を覚ますとそこは倉庫だった。 まだ頭に靄がかかったように意識がはっきりしない。 ぼうっとした頭でその女性は何が起こったかを考える。 学校が終わって帰り際に数人の男に突然囲まれて殴られた。 たったそれだけのことしか記憶にない。 「……今度は誘拐でもされたっぽい……ついてない…… 彼氏に振られた後にこれはないでしょう……」 誘拐された女性である地奈は、誰にも聞こえない程度の声で呟く。 周りに誘拐した男たちがいることは分かってる。 体を縛られ床に転がされていて、身動きの取りようがない。 猿轡はされてないのがせめてもの救いだろう。 「……不幸ね。でも……なんでこんなことに……。 私、これからどうなっちゃうのだろう?」 つい最悪の事態を想像し、血の気が引く。 今の所、何もされてはいないようだが、だからと言って安心はできない。 相手は誘拐犯なのだから。目的が見えない。 身動き一つせずに思考を巡らせる地奈。 その地奈の周りにいる誘拐犯達は、地奈が目を覚ました事に気付かず動いている。 号令と怒号。まるで何か予想外のことが起きたかのような慌ただしさ。 そこで初めて何かがおかしいと思い、地奈は耳を澄ませる。 誘拐犯達の声が容易に耳に入ってくる。 「あの男がここに来ているだと? 尻尾連中はしくじったか」 「ああ、別の男と二人でだ。もう一人の男と二手に分かれたようだ」 誰かがここに向かっている? 「一人はまっすぐこっちに来るぞ。どうする?」 「馬鹿野郎! 一人で来るような馬鹿はいない。これは警察に通報されてる可能性が高いな。撤収だ!」 警察? 「女はどうします?」 「置いてけ! どうせ顔は見られてない。移動の邪魔になる!」 「依頼の件に違反しませんか?」 「契約内容は誘拐までだ。そっからは好きにしていいってこと。このまま置いていこうがかまわんだろう」 「了解した。撤収準備完了しました!」 誘拐犯達の足音があっという間に遠ざかり、辺りに人がいなくなった。 どうやら助けが来たらしい。 地奈は心の底から安堵し、息を吐いた。 「でも誰が? 警察じゃないとしたら誰なの?」 その疑問を言葉に出したとき、一人分の足音が聞こえてきた。 地奈はそこでようやく目を開け顔を向ける。 がらんとした廃棄倉庫。その中央部分にモヒカンが立っていた。 余りにも予想外の顔に思わず声が漏れる。 「あれ? 君は?」 その声が聞こえたのだろう。那賀は地奈に気付くと向かってくる 「あいつらに襲われてな。あんたを誘拐したと聞いたから一応助けに来た。 すでに誘拐犯はいないようだな」 肩を竦めて話す那賀に対し、地奈は予想外な人物の登場に茫然とする。 那賀はあっさり縄を外すと一人つぶやく。 「しっかし誰もいないとはなあ。ちっ 先公のいう通りか…… 俺を襲ったことを後悔させてやりたかったんだがなあ」 心底悔しそうに呟いている那賀。 地奈はゆっくりと体を動かし調子を確かめ、まだ悔しそうにしている那賀に呆れたように話しかける。 「結構な人数がいたから一人で戦うのは無謀だと思うなあ」 「……何を言っている。正面から戦うなんてことは正義の味方がやることだ」 「つまり、罠を張っていたってこと?」 その言葉に頷くと「無駄になったがな」と呟きにたりと笑みを浮かべる。 地奈はそのチンピラそのもの表情に思わず吹き出した。 「あはは、その表情はないわよ。まるで雑魚チンピラよ」 「いーんだよ! 気にするな」 悪態を吐く那賀を見て、地奈は不思議と不安感が消えていることを感じた。 ようやく、助かったという実感がわいてくる。 その地奈の様子を確認すると、那賀は「さて」と前置きを言い、話し始める。 「こりゃ先公の言った通り警察に連絡しても面倒なだけだな。誘拐があったことすら分らない状態だ。 へたすりゃ狂言誘拐する疑われる……お前、歩けるか?」 「うん。大丈夫……ありがと」 その地奈の礼の言葉に那賀はさっさと後ろを向くと歩き始める。 そのままいい加減に手を振りながら話した。 「ま、ついでだついで。さ、こんなしけたとこからおさらばするぞ。 もうひとつ行くところがあるとか言ってここに連れてきた先公も行っちまったしな。 あの先公、何を考えてやがる」 「……先生? いたの?」 「ああ、まあ、あれが考えてることはわからんしな。台ならわかるかもしれんが。 ともかく帰るぞ。こんな埃っぽいとこ長居するもんじゃねぇ」 「うん。そうだね」 二人はそのまま倉庫から出た。 地奈は黙って那賀の後ろを歩いて行く。 その表情は那賀には見えない。 そのまま普通に日常へと帰って行った。 ――数ヵ月後、この二人が恋人関係になったのは別の話。 「無事、逃げられたようですね?」 誘拐犯たちが逃走し、たどり着いたアジト。 そこには一人の男性が待ち構えるように立ち、声を掛けてくる。 誘拐犯は一瞬身構えるが、その姿を確認すると警戒を解いた。 それはこの国の裏稼業のプロのならば、一度は目にする人間だった。 俗に情報屋と呼ばれる人種だった。 そのなかでも特に異彩を放つ男だった。――余りにも普通すぎる男だという意味で。 その男は柔和な笑みを浮かべてただ立っている。 「よう……あんたか。根回し助かった。今回は警察に捕まる所だった」 「いやー、これもサービスの一つですから」 誘拐犯が謝意を示すと、男、大里巧は柔和な笑みのまま答える。 その笑みには一遍の不自然さがなく、故に今の殺伐としたアジトとは一線を画している。 余りにも自然体故に不自然な男に対し、誘拐犯は視線を鋭くする。 「はっ! そもそもあんたが介入してこなければ全てはつつがなく終わったんだがなぁ」 その仕事の邪魔をされた事に対する苛立ちを含んだ挑発の言葉に、しかし巧の笑みは変わらない。 「仕事の邪魔をしたのは謝りますよ。 しかしですね、そもそもあなたみたいなプロが、この町で仕事をするのがルール違反ですからね。 今回だけは大目に見ることにしますけどね」 その言葉に誘拐犯は舌打ちをし、それ以上の追及を止める。 代わりに別の疑問をぶつけることにする。 「しかし、あんたが人助けね。信じられんな」 この男は裏の人間でもある。ただ、正義感で動くわけがない。 そう推測し、誘拐犯はあえて疑問として口にだした。 その言葉に巧は軽く肩を竦ませる。 「なに、あの場を荒らして欲しくなかっただけですよ。 変な噂が立ってしまうと、壊しがいのある生徒が入ってこなくなるじゃないですか。 ……あの町で人を壊していいのは私だけなんですよ?」 表情は笑みのまま。しかし、その言葉を聞いた瞬間、誘拐犯は身震いをする。 全てが変わらないはずなのに、目の前にいる人間が別の怪物に見えた。 巧の内側を、見てはならない物を見たときの感覚。 震える体を宥めつつ、誘拐犯は言葉をやっとのことで吐きだす。 「……まったく、あんたが敵じゃなくてよかったよ」 「ご謙遜を。全てに劣る私が君たちに敵うわけないですよ」 「それを臆面もなく言えるような奴は怖いものさ」 「はて、そうですかね? まあそう思ってもらえるならありがたいですよ」 そして、話は終わりだとばかりに巧は、背を向ける。 一歩だけ踏み出した所で、立ち止り、言葉だけを誘拐犯に向けた。 「ああ、一つ依頼を。これで今回の貸し借りはなしということで」 「借りなんてあったか? ……まあいい。それで何をさせたい?」 「今回の件の依頼人をそちらで処理しておいて下さい。手段は問いません」 「おいおい、依頼主を裏切れってか? こちとら信用で成り立ってんだぞ」 断ろうとする誘拐犯に巧は一言。 「私の依頼ですよ。その辺は大丈夫です」 そう言うと、巧は再び歩き出す。答えを聞こうともせずに巧はアジトから姿を消した。 「……まったく。情報屋ってのは怖えなぁ。分った。引き受ける。 だから、あんたもミスんなよ。あんたとは末長く付き合っていきたいのでな」 誘拐犯は一人ごち、次の"依頼"をこなすために動き始める。 そして闇から闇へ葬り去られた話が一つ。 この話が表に出ることはない。 終わり。 前:先輩、ペットボトルロケットです!(1) 次:カップル撲滅運動宿命のライバル編
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うー。まだか…まだ来ないのかっ! ―ピンポーン きたっ! 俺は駆け出す。財布を持って。玄関へ。 代金引替の手続きを済ませた俺の手には段ボール箱。品名の欄には「武装神姫・ハウリン」と書かれている。 発売当初から武装神姫には興味はあった。だが金がなかった。 しかし今月は何故かバイトの給料が多い。これは今しかない!ということで、通販で購入したのだ。 ではさっそく開封してみようか。 解説によれば、3つのCSCをセットして起動を待つ。その直後にマスターの登録等が行われるらしい。 落ち着いて、封を開け、取り出し、CSCをセット。すると犬型のMMSハウリンはゆっくりと目を開き、 「あなたが、私のマスターですか?」 そう言葉を発した。そこで俺はすかさず言い放つ。 「マスターじゃない!!『お兄ちゃん』だっっっ!!!」 つづく…
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このページはこちらに移転しました Apple girl Cherry boy 作詞/まらいあ ちょっとやる気あんの? しっかりしてよ ほらもっとピッと立って ちゃんともっとこっち見て やればできるってさ みんな言うけどさ それ大事なのかなぁ きっと 大事なんだろうなあ ちゃんとして してるよ僕は してないよ してないのかなあ しっかりして していいの本当に 後悔しない?しない?しないの? そんなに軽くないよね 軽くあっちゃだめだよね そんなにゆるくないよね ガード固く もっと固くして だってそうだよね 苦いものは苦手なの? しっかりしてよ ほらもっとこっち寄って ちゃんと持ってこっちみて 「本当に大事な人に」 みんな言うもんね それ大事なんだね きっと 大事なんだよね わかったの? やっとわかった わかってない まだだめなの? しっかりして してないの私 後悔しない?しない?いないの? だめ ほらね だめだよ 猫撫で声は僕のもの ワガママ権は君のもの 私の恥をあなたにあげる あなたの心を私に頂戴 大事にして大事にして もっとしっかり大事にして だからだめです そんなこといわないで だめです そんなこといわないで だめ そんなこといわないで でも 襲わないで
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Mohikan meets girl 2話目 520 名前:◆G9YgWqpN7Y [sage] 投稿日:2009/12/13(日) 16 17 22 ID KBcWiwB8 「どうしてこうなった……」 那賀は頭を抱えつつ唸るように言う。 目の前にはあの路地裏で殴られていたはずの女が、パフェを頬張りつつ目の前に座っていた。 ここは深夜のファミレス。 そこにはモヒカン男と綺麗な女性が同じ席に座り、 同じジャンボパフェを食べるという一種異様な光景があった。 「にゃにはたまかかえへるのひょー。おれいなんひゃからたひぇなひゃいー」 「口一杯にしたまま喋るな。ていうかなんであんたはそんなに元気なんだ」 目の前の女は、ついさっき殴られて転がっていたと思えないくらい元気だった。 肩で切り揃えられたセミロングの黒髪。二重のパッチリとした目。 口元は目の前のジャンボパフェの前で満面の笑みを作っている。 制服から同じ学園の生徒、おそらく三年だろうと推測する。 あかぬけた女性で、モデルをやっているといわれても思わず納得する程の容姿だった。 そんな美女であったが、額にたんこぶを作りながらジャンボパフェをリスのように目一杯頬張ってる姿は、 なんて言うか、すべてを台無しにしている。 その女性は、口の中の物を飲み込んでから再び口を開く。 「そりゃー、額で受けたからねー。どっちかというと痛かったのあいつの方かも?」 手に持ったスプーンをヒラヒラと振りながら話す女性。 そんな女性に対し那賀は問いかける。 内心俺は何をやっているんだと自問しながらであるが、これもまた成り行きだと思うことにする。 「それよりなんであんなことになってたんだ? 何が原因だ?」 「別れ話」 その問いに女性はあっさりと簡潔に答えた。 「なるほど」 この女が別れ話を切り出して男が逆上した。そんな所か。 那賀はその一言で納得する。 しかし、女性の言葉には続きがあった。 「あいつから別れ話切り出されて、私が問い詰めたの。最終的には殴られちゃったけど」 「あー、そうなのか?」 どうやら切り出したのは男の方だったらしい。 那賀は適当に相槌をしつつ、続きを促す。 「やっぱり相手の女の事まで罵ったら怒るわよね。これって自業自得って奴かな?」 「そりゃそうだ」 男としては自分の事なら何を言われようとも我慢できた。 しかし、新しい彼女へと矛先が向き、我慢しきれなくなったということらしい。 「言う方も言う方だが、怒る方も怒る方だ。ま、どっちもどっちだな」 「……うん、そうよね。今は言い過ぎたと反省してるけど」 後半はほとんど呟きになって、那賀としてもかろうじて聞き取れた程度だった。 しかし、那賀には特に何をいえることなどない。慰める必要もないと判断していた。 「ふう。別に助ける必要はなかったな……」 「本人目の前にしてそんなこと言わないでよ」 那賀の軽口に女性は苦笑して答える。 「はいはい。そうか」 その様子を見て女性の心の中で整理がついていることを確認した。 もう一人にしても大丈夫だろう。 そして那賀はあっさり立ち上がると、突然の行動に驚いた女性に言った。 「じゃ、ごっそさん。俺はもう行くぞ。いい加減かえらねぇと明日がきついからな」 「そんな格好してるのに意外と規則正しいのね。わかったわよ」 那賀の言葉に女性は軽く溜息を吐くと、会計を済ますために立ち上がる。 女性は会計を済ませ、そのまま二人は一緒に外に出た。 外はまだ寒い。さっさと帰らないと風邪ひきそうだな。 那賀はそう思い、女性のことを気にすることもなくそのまま進む。 もう関わり合うこともないだろう。女性は今年三年である以上もうすぐ卒業だ。 そうなったらカップル撲滅運動の対象からも外れる。 「あ……」 女性が何か言おうとしているのはわかったが、那賀は無視してそのまま帰って行った。 「あ、そういやあの女の名前も聞かなかったな」 那賀がそのことに気づいたのは家に帰った後だった。 ○ ○ ○ 「畜生……舐めやがって……」 一人の男が電柱の陰に隠れるようにして、二人がファミレスから出てくる所を見ていた。 絞り出すように悪態を吐く。 「つまりこの俺よりあの不良を選んだってことだよなぁ」 目の前で見た光景を男はそう解釈する。 見た目はそれほど悪くない男だった。 しかし、今の表情はひどく歪んでいて、一種近寄りがたい印象を与えていた。 男は女に一度振られていた。女に彼氏ができてもまだ追っていた。 女が男と別れ、チャンスが来たと思っていた。 しかし、目の前に新たな男が女といっしょにいた。 それも見た目あまり近寄りたくないタイプの男と。 彼の歪んだ愛は、その瞬間はっきりとした憎悪に変わっていた。 「あんな、どうでもいいような男とは食事を食べて、俺を振るなんてなぁ」 端正な顔立ちの男は顔をさらに歪める。 手はブルブルと震え、足に力が入りすぎ、踏みつぶした小枝が粉々になっていた。 「ああ……もういい。この手に入らないなら……壊すだけだ……」 おもむろにポケットから紙を取り出す。 男はそこに書かれた電話番号にかけ始める。 「ああ……俺だ……」 『――――』 「いいぞ……女の方は好きにしていい。男の方は……」 『――――』 「頼んだぞ」 「地奈……俺を振った罰は……受けてもらうぞ……」 男は呟く。歪んだ表情は、陰気で、矮小で、不気味だった。 ○ ○ ○ 次の日の夕方、那賀は一人でいた。 そこは学校の屋上で、双眼鏡を持ってグラウンドを眺めている。 その表情は真剣そのもの。覗きと思われて当然の挙動をしている。 その那賀がしていることは、 「……この卒業まであと少しということで、カップル候補共の動きが活発になっているな」 那賀はメモ帳を取り出し書き始める。 結局やっていることはいつもの情報収集だった。 「あそこに二人……あれは後一週間くらいで成立するな……。 む……あれは一級危険人物……いよいよ乗り込むべきか」 ぶつぶつ呟きながら眺め続けているその姿は、はっきり行って不気味だった。 そこへ、那賀のいる屋上に数人の影が現れる。 全員がナイフを手に持ち、呟き続ける那賀へとゆっくり近づいていく。 那賀が気づく様子は見えない。 その影は、那賀のすぐそばまでやってくる。 そのまま音もなく、ナイフを振り上げ那賀の背に向けて振り下ろす。 そして、人が倒れる音がした。 那賀が背後の音と異変に気づき振り返ると、数人の男たちが倒れている状況が見て取れた。 手にはナイフを持っている。 その様子から自分に危害を加えようとしていたことを察する。 「……これ、先公がやったのか?」 しかし問いかけた先は倒れる男たちではなく、その向こう。 黒い塊を両手に持った一人の教師。 その教師は柔和な笑顔を浮かべ、口を開く。 「生徒の危機とあっては、黙って見ているわけにもいかないよ」 その教師に対する印象はおおよそ平凡という表現は相応しいと思えた。 穏やかそうな雰囲気を纏い、優しい教師といってもいいだろう。 しかし、その両手にあったのは射出式のスタンガンだった。 那賀はその持ち物と教師という役職のちぐはぐさに違和感を覚える。 教師は那賀のその表情に気づいたのだろう。笑顔を苦笑に変え、言葉を続ける。 「ああ、これかい? 最近生徒指導のために夜の繁華街にも見回りしているからね。 念のための護身用なんだ。こんな物、使わないならそれに越したことはないんだけどね」 そう言って、倒れている男に視線を移し、那賀へと尋ねる。 「しっかし、君は何かしたのか? これまた物騒な……」 「わかんねぇ。色々悪さはしちゃいるが、ここまでされる事をした覚えもない」 那賀は、教師の言葉に続き、答える。 那賀には全く心当たりはない。 その様子に再び教師は唸ると、さらに質問する。 「そうか、それじゃあ、何か変わったことはあったかな?」 「……うーむ。柄にもなく人助けしたことぐらいか?」 変わったことといってもそれ位しかない。 脅して立ち去らせた男という可能性も考えるが、男の方から別れ話をしている以上それもないだろう。 どうやら那賀に理由がわからないようだと教師は納得し、頷く。 「……そうか。なら、この男たちに聞いた方が早いか」 そう言いながら教師は、一人の男を起こす。 その慣れた手つきに那賀は違和感をおぼえるが、 教師が呻きとともに起きた男へ質問を浴びせることで、意識は質問へと向けられすぐに忘れた。 「さて、何が目的かな?」 その時の教師の表情は那賀からは見えなかった。 しかし、男は震えと共にあっさりとしゃべり始める。 「お、俺達は依頼されただけだ! そいつを怪我させろという事と、女を連れて来いと言われただけだ!」 「女とは誰だ?」 「この学園の高等部の3年の女だ! 俺は名前聞いてねぇ。俺はこっち担当だったからな!」 その言葉に那賀は反応する。 「……もしかして、あの女か?」 昨日助けた女が攫われた? なぜだ? 理由不明の展開に那賀の理解は追いつかない。 しかし、教師は冷静に、男から落ち合い場所を聞き出すと、再びスタンガンで眠らせる。 さらに携帯を取り出しどこかに掛け、話し始めた。 「あ、真田先生ですか? 屋上に悪い子が4人ほど眠っているのでそっちでなんとかして下さい。 私は、ちょっとこれから野暮用があるのでそっちの方に行きます」 それだけ言うと、教師は携帯を切る。 「さて、それでは行きましょうかね」 「……行くって、どこに?」 「当然、その女生徒を助けにですよ」 何でもないことのように言う教師に那賀は驚く。 「先公、何考えてやがる。まずは警察じゃないのか?!」 那賀の当然の指摘に、教師は穏やかに頷いた。 「ええ、そうですね。しかし、そういうのは真田先生に任せましょう。 私たちがまず動く方が、すべてを穏便に済ますのに丁度いいのですよ」 そう言って教師は笑う。ここまで来てもそれは穏やかな笑みだった。 そして、その表情にまま、那賀に話す。 「もちろん君のことも頼らせてもらいますからね」 「……何考えてやがる?」 那賀は不審の表情を浮かべる。 しかし教師は取り合わず、さっさと出口に向かう。 その動きに対し、那賀は一瞬の逡巡の後、その教師についていく。 その途中、歩くペースを変えず、教師は口だけを動かした。 「そうそう、私の名前を憶えてますか?」 「……大里 巧」 「ええ、その通り。よく憶えてくれました。 それと今の作戦の間は教師と生徒ではなく、戦友です。 私のことは名前で呼んでも構いませんよ?」 「先公で十分だ」 「うーん。それは残念ですね」 そして二人は巧の車に乗り込む。 誘拐された女性を救出する、その目的のため動き出した。 続く。 前:実は響鬼よりも初代が好きなんだ、俺 次:カップルウォッチャーととろ
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通り過ぎる影に TicK TicK TicK 甘い香りを振りまきながら 軽い気持ちでいいのに ほんの少しTurns You On STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL ウィンドウにもたれて TicK TicK TicK テールライトに赤く染められて いつでも冷めた目をして 誰でも Forget Yourself STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL ウィンドウにもたれて TicK TicK TicK テールライトに赤く染められて いつでも冷めた目をして 誰でも Forget Yourself STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL STREET GIRL...
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越前リョーマは中学生である。 彼は決して、悪魔や吸血鬼と戦ったりはしないし、願いをかなえるための冒険をしているわけでもない。 彼はただ、学校に通ってテニスをするごく普通の中学生だ。 そんな彼が今おかれているこの状況――殺し合い。 それこそ彼には全く無縁の、百八十度逆の位置に存在していると言っても過言ではない狂気の沙汰。 そんな状況下において彼は―― 「……訳が分からないね。」 ひとまずは、冷静でいた。 彼のトレードマークであるキャップをやや深めに被り直すと、リョーマは今までに起きた事をゆっくりと、しかし丁寧に思い出していた。 日本テニス界のトップ選手を養成するU-17日本代表合宿に参加するために、アメリカでの武者修行から帰国の途についた所までは覚えている。 だが、そこから先の記憶が曖昧だ。 まるで靄がかかったかのように、その前後の記憶がぼんやりと思いだせない。 そのぼんやりとした記憶の領域を越えた先に合った光景は―― 「…あんまり、思い出すもんじゃないよね……」 リョーマ自身、流血沙汰を見るのはテニスの試合中に起きたアクシデントで若干慣れていた部分はあったが、それでもさすがに人が死ぬ瞬間を見たのはあれが初めてだった。 胸の奥が詰まってしまうような、吐き気にも似たよく分からない感覚がリョーマを襲う。 (……夢じゃ、ないんだよね。これって) そう、これは断じて夢や妄想ではなく現実。 脳内にリピートされるあの惨状を、頭をブンブン降ることで振り払うと、リョーマはひとまずいつの間にか持っていたデイパックの中身を確認することにした。 「…何だこれ。」 今この場で行われるのは殺し合いだと、鳩山とか言う変な男は言っていた。 当然、支給してくる物の中にはその殺し合いを促進するような武器の類が入っていてもおかしくはないとリョーマは踏んでいたのだが―― 出てきたのは、携帯電話、それもスマートフォンと呼ばれるものであった。 その他に入っていたものは一切ない。 無論、地図や水の入ったペットボトル、食料といったものも入っていたがこれは恐らく全員に同じように支給されているものだろうから触れないでおく。 それにしても携帯電話一つだけポンと渡して殺しあえと言うのもずいぶん人を食った話だ。 「…110番にかけ…ても出ないんだろうなあ、きっと。」 少々いじってみたものの、案の定うんともすんとも言わない。 リョーマは小さくため息をつくが、いつまでもこの場に留まっているわけにもいかない。 支給されていた地図と周りの景色から確認するに、どうやらここはF-1に当たる場所のようだと言う事が分かった。 (…今ここに誰がいるのかは分からないんだ。人の集まりそうな施設にでも行ってみようかな……) そう思いリョーマは少し遠くに見える教会の方角へと歩を進めた。 と、その時だった。 ヴーン、ヴーン ポケットに入れておいたスマートフォンが、突然振動し始めたのだ。 慌ててスマートフォンを取り出すと、真っ黒で何も映し出さないでいた画面がパッと光り、さっき見た地図と同じ図を画面に映し出していた。 いや、このスマートフォンが映し出している地図には支給された地図と一つだけ違う部分があった。 「教会が……点滅してる?」 F-1のやや南東部に位置する教会で、一つの光点が点滅していた。 そして自分が教会に向かって歩くと、段々とその光点に向かうようにスマートフォンの地図も動いていた。 (――これは、もしかして。) 何かに気付いたリョーマは、教会へと進む足を速めた。 ◆◆◆ その男は、黒かった。 まるで新月の夜の闇をそのまま切り取ったかのような純粋な漆黒の身体は隆々と鍛えられており、その力強さを示している。 だが、その体躯よりも特徴的なのはその顔に合った。 彼には顔が無かった。 普通ならばそこにあるべき顔がある位置に存在するのは、ぽっかりと空いた大きな穴。 目も、鼻も、口もない。 彼の名はブラックホール。 サタンに魂を売り渡し、悪のために戦う悪魔超人の一人であった。 そんな悪魔超人の彼は、現在彼がおかれている状況にただ困惑していた。 (……ここは…どこだ?あの鳩山とか言う男…何者なんだ?あのテリーマンをあっさり殺して見せるとは……奴もまた悪魔超人なのか?しかしあんな弱そうな奴が悪魔超人なはずがないし……むう……) ブラックホールの脳内で繰り返される、つい先ほどの惨状。 宿敵である正義超人の一角、テリーマンがあっさりと死んだあの情景。 あの場にいたキン肉マンとロビンマスク。 そして名も知らぬ大勢の有象無象。 だがその中にブラックホールは確かに仲間である悪魔超人の存在を察知していた。 その悪魔超人が誰なのかまでは確認できなかったものの、確かにそこに悪魔超人はいたことは間違いない。 (あの場にいたのは誰だ?バッファローマンか?スプリングマンか?それともアトランティス……?クソ、名簿は白紙か……) いつの間にか手に持っていたデイパックの中に入っていた名簿には何も書かれてはいない。 会場を動き回って仲間を探そうかとも思ったが、この広い会場でうっかりキン肉マンやロビンマスクといった正義超人と鉢合わせするかも分からない。 どんな相手にも負ける気はさらさらないが、ここがどんな場であるか分からないのに無駄な体力を消耗するのも考えものだ。 それにあの場からは、超人の存在と同時に奇妙な感覚も味わっていた。 まだ戦った事のない、未知の超人――もしくはそれに値する何かの存在。 奴らの存在はブラックホールを慎重にさせる。 (チッ、あの鳩山とか言う奴め……悪魔を舐めるなよ……) ぐ、と右手を握り締め鳩山に対して怒りを滾らせていたその時だった。 誰かがこの教会に近づいてくる。 ブラックホールはその気配を察知すると、大きな扉の影に入ると――その影の中に溶け込むかのように消えた。 ◆◆◆ 「…思ったより、遠かったな……」 近くに寄ってみると、教会は思った以上に大きく、立派であった。 (……この中に、誰かがいるんだよな……) 門に手をかけたその時、リョーマの脳内に嫌な予感がよぎった。 まるで真正面から突っ込んでくるトラックの影が見えたような、背筋に氷を入れられたような嫌な感覚。 (…!なんだ?今の……) ドアにかけていた手を引っ込めると、じんわりと汗がにじむ。 心臓が早鐘を打ち、本能が警鐘を鳴らす。 ここにいてはいけない、早く逃げろと。 だがそう思えば思うほどに両足が動かなくなる。 まるで鉛を括りつけられたかのような拘束感をリョーマは感じていた。 (一体……この教会には、どんな奴がいるんだ?) いつまでもドアに手をかけたまま固まっているわけにもいかない。リョーマはぐっと気合を入れ直すとその重い扉を開こうとした。 その瞬間だった。 「ほう、どんな奴が来たかと思えばこんなチビの小僧だとはな。」 誰もいなかったはずの背後から、男の声が聞こえた。 とっさに振り替えると、そこに立っていたのは顔面に大きな穴のあいた屈強な大男。 その不気味な様相に、リョーマは何も言う事が出来なかった。 「フン、丁度いい。お前には色々聞きたい事がある。ついて来い!」 顔のない大男の右腕がリョーマの小さい身体を抱えると、あいている左腕で教会の大きな扉を造作もなく開けた。 その間、リョーマは何もする事が出来ないでいた。 大きく開かれたドアは閉ざされ、また静寂が周囲に鎮座する。 だがこれから顔のない悪魔は何をするのか、悪魔と出会った少年がどうなるのかは、まだ誰も分からない。 【F-1/教会/一日目-朝】 【越前リョーマ@新テニスの王子様】 [参戦時期]:アメリカ武者修行から帰国してくる道中 [状態]:健康、恐怖(微) [装備]:スマートフォン型参加者探知機@現実 [道具]:基本支給品*1 [スタンス]:対主催 [思考] 基本:殺し合いには乗らない 1:なんだこの人…いや、人なのかな? 【ブラックホール@キン肉マン】 [参戦時期]:不明 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品*1、不明支給品(1~3) [スタンス]:とりあえず静観 [思考] 基本:現状を把握してから考える 1:小僧(リョーマ)から情報を得る。 2:悪魔超人と合流したい。 3:積極的に動くことは今は避ける。 Vやねん!バトルロワイアル 投下順 俺様の下僕こと幼なじみが二番煎じすぎる GAME START 越前リョーマ 越前リョーマVSブラックホール GAME START ブラックホール 越前リョーマVSブラックホール
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【登録タグ C VOCALOID picco 初音ミク 曲】 作詞:picco 作曲:picco 編曲:picco 唄:初音ミク 曲紹介 ─あたしだけの Lucky boy 夢中にさせて─ picco氏の25作目。 Artwork 紫妃ひなこ 第3回プロセカNEXT応募楽曲。 歌詞 Candy Girl 甘くて切ない気持ちは Goodbye Lonely Girl 眠れない夜に一人きり No way いつの間にか恋をしてた 溺れちゃいそうな My heart あたしだけの Lucky boy 夢中にさせて 色とりどりの花束は捨てて 君の答えはもう決まってるでしょ いつかはとける幸せの魔法 さよならなんて言いたくないから Candy Girl 甘くて切ない気持ちは Goodbye Lonely Girl 眠れない夜に一人きり No way いつの間にか恋をしてた 溺れちゃいそうな My heart あたしだけの Lucky boy 夢中にさせて Candy Girl 甘くて切ない気持ちは Goodbye Lonely Girl 眠れない夜はもう嫌なの Candy Girl 甘くて切ない気持ちは Goodbye Lonely Girl 眠れない夜に一人きり No way いつの間にか恋をしてた 溺れちゃいそうな My heart あたしだけの Lucky boy 夢中にさせて コメント 名前 コメント
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2008年04月21日 14 05 59 投稿 投稿者コメント 幻想入りシリーズ~BOY MEETS GIRLS~ 第3話 つ、疲れた……!orzどうもこんにちは、255番改め253番目のうp主です。何とか四月に上げれることができましたが、この調子だと一ヶ月に1話ペースになりそうです……でも僕頑張るよ!名前を考えてくれた方がいたんですが、結局採用出来なくて申し話ないです。ですが、大変嬉しかったですwそういえばこの前エレベーターに乗ってる時におてんば恋娘聞いてたら、誰もいないのに⑨階で止まりました。どうでもいいですね、サーセン^^;●今回クロスさせていただいたどてらさんの最新作はこちら→(sm2778682)本当にありがとうございました!描いてて楽しかったですw●前話→(sm2767968)●作品リスト→(mylist/5387777) -- (名無しさん) 2008-09-13 13 08 34 ヤゴコロをさがせ!? マフラ男? デフォルメが可愛い? ステルスパッド? イケメンと狂気? ある意味サムネ一本釣り? 投稿者コメント百 どてら出演? -- (名無しさん) 2008-09-13 13 08 54
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フィエロに対する気持ちに気づいたエルファバ。 しかし、彼には誰がみてもお似合いの彼女がいる。 しかも自分の友人。 雨の中で、悲しく想いを歌います。 恋愛小説がなべて "The boy meets the girl"で始まることになぞらえて。 エルファバ: 手が触れて 目が合って 突然訪れた沈黙 そして感じた熱 心は渦の中に飛び込んだよう 彼はきっとラブストーリーの中の"少年"なのでしょう でも私はその物語の"少女"じゃないわ かけ離れた夢はみないで 自分自身がどんなだか よくしってるはず あのときの喜びを 思い出さないで 彼はラブストーリーの中の"少年"なのでしょう でも私はその中の"少女"じゃないわ いつも人は願いのかなう世界を想う でもそれで痛みが和らぐわけじゃない やがて現実に引き戻されるから かろやかな微笑み しなやかな手脚 魅力的なその子は彼をものにする 金色の髪 やわらかなカール それが彼の選んだ少女 確かなのは わたしはその"少女"じゃないってこと 望まないで 考えるのをやめて 願えば心が痛むだけ 私にバラや真珠はにあわない 私のよく知っている"少女" 彼はその子を愛している でも私はその"少女"じゃないわ・・・
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